機器 公開 2026-08-27 制度の最終確認 2026-09-11 約3分

全負荷型と特定負荷型、蓄電池はどちらを選ぶ?判断の分かれ目

ANSWER / 先に、答え

停電中もふだんに近い生活をしたいなら全負荷型、限られた容量を長くもたせたいなら特定負荷型です。全負荷型は家全体に給電できるぶん消費が大きく持続時間は短くなり、特定負荷型は長くもつ代わりに使える回路が設計時に決めた範囲に限られます。200V機器を使うかどうかも分かれ目になります。

見積書に「全負荷」「特定負荷」と書かれていて、営業担当からは「全負荷のほうが安心です」と言われた——という場面を想定します。安心の中身を分解すると、判断できます。

違いは「停電時にどこへ電気を送るか」だけ

ふだん(停電していないとき)の動作は、どちらもほぼ同じです。安い時間に充電し、高い時間に使い、太陽光があれば余剰を蓄える。電気代の削減という点で、型による差は大きくありません。

差が出るのは停電時です。

全負荷型 分電盤の主幹側につなぎ、家全体に給電します。停電に気づかないくらい、ふだん通りの生活ができます。ただし同時に動く機器が多いぶん電気の減りは速く、200V機器に対応するかは機種によります。
特定負荷型 あらかじめ決めた回路だけに給電します。冷蔵庫・照明・通信機器などに絞れば、同じ容量でも長くもちます。その代わり、指定していない部屋のコンセントは停電中に使えません。

どちらを選ぶかは、何で決まる?

  1. 何時間もたせたいか。半日で復旧する停電を想定するなら全負荷型でも足ります。数日を想定するなら、特定負荷型で絞るか、太陽光と組み合わせることになります。
  2. 200V機器を停電中に使うか。エアコンやIHクッキングヒーターは200Vのことがあります。停電中も使いたいなら、200V対応の全負荷型を選ぶ必要があります。
  3. 家族に電気が欠かせない人がいるか。医療機器を使っている場合は、その回路が確実に生きる設計になっているかが最優先です。
  4. 工事範囲をどこまで許容するか。全負荷型は分電盤の主幹側の工事になり、範囲が広がりやすくなります。
先に決めるのは型ではなく「動かしたいもの」 「全負荷か特定負荷か」から考えると決まりません。停電時に動かしたい機器を3つ書き出し、その合計消費電力と必要な時間から必要な容量を出すと、型は自然に決まります。計算手順は停電時に何時間もつかの記事に書いています。

特定負荷型は、図面で確認する

特定負荷型でいちばん多い誤解は、「冷蔵庫は使える」と聞いていたのに、停電してみたら冷蔵庫のコンセントが対象回路ではなかった、という形です。

回路は分電盤の単位で決まります。契約前に、どのブレーカー(回路)を停電時に生かすのかを図面で示してもらってください。工事後に変更するには追加の電気工事が必要です。

保証と施工で確認すること

導入した人の声を集計すると、「故障・不具合・保証」に触れた19件は満足1件に対し不満6件で、集計の中で最も不満に傾いた論点でした。件数は少ないものの、機器そのものより施工と保証の体制に関わる話が中心です。

  • 機器保証の年数と、延長の申込期限
  • 容量保証の残存率と年数(年数だけでは比較できません)
  • 工事保証の主体(施工店が廃業した場合に誰が対応するか)
  • 停電時の切替が自動か手動か、切替にかかる時間

メーカー公式の仕様ページはメーカー別一覧にまとめています。型の違いで補助金の有利不利が決まる制度は当サイトが確認した範囲では見当たりませんが、条件は制度ごとに異なるため補助金DBの条件欄も確認してください。

CHECK ONE / 見積の前に確認する1つ

停電時に生きる回路を、図面で示してもらう

特定負荷型を選ぶ場合、どのコンセントと照明が使えるようになるのかを分電盤の図面で示してもらってください。「冷蔵庫は使えます」という口頭の説明と、実際にその回路が選ばれているかは別の話です。工事後に回路を変えるには追加工事が必要になります。

VOICES / 実際の声から

84 件(2026年7月17日〜9月11日)の投稿を集計した結果です。

導入するか迷う段階の投稿は84件で、迷い31件・情報29件。機器の構成や容量をどう決めるかという内容が中心でした。故障・不具合・保証に触れた19件では不満6件が満足1件を上回っています。

OFFICIAL / 公式はこう説明している
東京都・クール・ネット東京「蓄電池パッケージ 蓄電容量1kWhあたり10万円(経費(税抜)が上限、DR実証不参加は上限120万円/戸)」出典 ↗
環境省・SII(ZEH補助)「蓄電システムは本年度SIIに製品登録された製品で、導入価格が蓄電容量1kWhあたり11.5万円以下であること」出典 ↗

よくある質問

全負荷型のほうが高いのですか?

機種と工事範囲によります。全負荷型は分電盤の主幹側につなぐため工事の範囲が広くなりやすく、対応する機種も限られます。ただし価格差は容量やメーカーによる差と混ざるため、同じ容量・同じ条件で見積を取って単価に直して比べてください。計算方法は見積チェックにあります。

特定負荷型で、あとから回路を増やせますか?

追加の電気工事が必要です。工事後に「この部屋のコンセントも使えるようにしたい」と思っても、そのために再び工事費がかかります。停電時に何を動かしたいかを、契約前に決めておくほうが結果的に安く済みます。

どちらが補助金に有利ですか?

型の違いだけで有利不利が決まる制度は、当サイトが確認した範囲では見当たりません。国の制度は登録製品であること、価格が目標価格以下であること、交付決定後に着工することといった条件で判断されます。自治体の制度は条件が独自なので、補助金DBで各行の条件欄を確認してください。

出典・一次情報最終確認 2026-09-11
  1. 01令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業(東京都・クール・ネット東京)クール・ネット東京 東京都地球温暖化防止活動推進センター公式
  2. 02戸建ZEH(環境省・SII)ZEH補助金公式
  3. 03みらいエコ住宅2026事業 エコ住宅設備の設置(国土交通省)みらいエコ住宅2026事業【公式】公式

補助金の額・期間・条件は年度や予算状況で変わります。申請前に上記の公式ページで最新の情報を確認してください。

本記事は国・自治体・メーカーの公開情報をもとにした一般的な情報提供です。補助金の額・期間・条件は年度と予算の状況で変わり、お住まいの自治体によっても異なります。 電気代の削減額や回収年数は、設置容量・電気の使い方・契約プラン・電力量料金の単価によって大きく変わるため、当サイトはいずれの機器についても「必ず元が取れる」とは述べません。 申請・契約の前に、必ず各公式窓口で最新の情報をご確認ください。